内部に設置されているパイプオルガンは、世界的に著名な英国アボット・スミス社製で、昭和3年紀州家徳川頼貞候が私邸の南葵音楽堂より寄贈され、以後奏楽堂にあって多くの音楽家を育て、人々を魅了させた名器です。ソロ、グレート、スウェルペダルと呼ばれる3段の手鍵盤と足鍵盤の4つの部分から構成され、26種類の音栓(パイプ総数1379本)と多数の演奏補助装置を有しています。日本では最も古いコンサートホール用オルガンで、直径8ミリメートルの鉛管内の圧搾空気を利用した純粋な風圧機構は日本では唯一つ、世界でも数少ないシステムのオルガンです。